【ガイダンス】知っておくべき奨学金制度とは?わかりやすく解説!

【ガイダンス】知っておくべき奨学金制度とは?わかりやすく解説!

令和5年度文部科学省の発表によると、高等教育機関(大学、短期大学、専門学校等)への進学率は過去最高の84.0%という時代。

高等学校卒業後の進路状況
参考:文部科学省(令和5年度学校基本統計(学校基本調査の結果)確定値)
https://www.mext.go.jp/content/20230823-mxt_chousa01-000031377_001.pdf

大学4年間でかかる学費の平均は、国公立大学で約481万円私立文系大学で約689万円かかります。そのため経済的な理由から、多くの大学生が奨学金を利用しています。

大学卒業までに必要な費用
参考:令和3年度「教育費負担の実態調査結果」(日本政策金融公庫)
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_r03.pdf

給付型奨学金も導入され、奨学金が身近な存在となってきています。

ここでは、奨学金とはどんな制度なのかわかりやすく紹介していきます。

目次

奨学金とは

奨学金とは、意欲と能力のある学生が、経済的な理由により進学を断念することなく、安心して学ぶことができるよう金銭的サポートが受けられる仕組みのことです。

給付型と貸与型がある

奨学金には、お金を返さなくてもいい「給付型」と、卒業した後に低金利または無利子で返済していく「貸与型」があります。

日本学生支援機構によると、給付型奨学金の対象は以下のとおりです。

  • 住民税非課税世帯の人
  • 生活保護受給世帯の人
  • 社会的養護を必要とする人(社会的養護とは「施設養護」「里親養護」「地域養護」など児童支援のこと)

こうした給付型は、厳しい経済環境にある学生に進学のチャンスが与えられ、格差是正につながっています。

ただし、対象となる学生が限定されるため、多くの人は貸与型を利用している状況です。

選び方のポイント

国や大学、自治体、民間団体など、いろいろな団体で独自の奨学金制度を設けています。

借りることができる金額や利息の有無などは、どの奨学金制度を利用するかによって異なってきますので、いくつか検討して自分に合った奨学金制度を見つけましょう。

ここでは、もっとも多くの人に利用されている日本学生支援機構(JASSO)の貸与型奨学金をおすすめしています。日本学生支援機構の奨学金は、ほとんどの大学で申し込むことができ、貸与型奨学金には無利子の「第一種」有利子の「第二種」の2種類があります。第一種と第二種を併願で申し込むこともでき、選考通過の確率が高くなるのでとくにおすすめの方法です!

奨学金を利用している大学生はどれくらい?

令和5年11月の日本学生支援機構(JASSO)の調査結果によると、
平成29年度から令和4年度までの6年間に、JASSOの奨学金の給付を受けた学生数は56万人(累計)、
昭和18年度から令和4年度までの80年間に、JASSOの奨学金の貸与を受けた学生数は1,485万人(累計)となりました。

奨学金給付・貸与実績
令和5年11月の日本学生支援機構の公表データ
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/oyakudachi/shogakukin_data/__icsFiles/afieldfile/2023/11/15/gorikai.pdf

また、令和4年度を見てみると、給付奨学金と貸与奨学金を受けた学生の人数は147万人となります。

給付奨学金・貸与奨学金を受けた学生の人数
日本学生支援機構の公表データ
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/oyakudachi/shogakukin_data/__icsFiles/afieldfile/2023/11/15/gorikai.pdf

日本は大学の授業料が高いにもかかわらず、世界のなかでも教育の公的援助が最下位で、家計の負担が大きい国です。大学生をもつ親にとっては経済的に厳しいので、奨学金の制度を利用せざるを得ない状況にあります。

奨学金を借りる理由

平均給与は少し回復傾向にありますが、長期間にわたって減少が続き、平成9年のピーク時の水準には戻っていない現状です。

平均給与の推移
参考:奨学生増加の背景(日本学生支援機構)
https://www.jasso.go.jp/about/ir/saiken/__icsFiles/afieldfile/2023/02/10/r1gyomu_jisseki.pdf

一方で「授業料」と「入学料」は右肩上がりで推移し、ここ数年間は高止まり状態となっています。

授業料・入学金の推移
参考:奨学生増加の背景(日本学生支援機構)
https://www.jasso.go.jp/about/ir/saiken/__icsFiles/afieldfile/2023/02/10/r1gyomu_jisseki.pdf

そのため、家庭からの仕送り(給付)が年々減少し、奨学金の割合が増加していている現状です。

上述したように、奨学金を借りる理由としては、このような家庭の経済状況により、学費を支払う十分な余裕がないことが1番の要因と考えられます。

みんなどれくらい借りているの?

実際に、みんなどれくらい借りているのか?

平均の貸与総額を算出すると、約300万円でした。

あなたは、この300万円をどう思いますか?

単純に計算しても毎月16,700円 × 180か月(15年)これだけ返済にかかります。

在学中はお金の返済がないので借金という認識がありませんが、奨学金は学生を対象とした無担保ローンになります。

  • 本当に必要な最小限の金額はいくらか?
  • 卒業した後は何年かけて、毎月いくら返すか?

をしっかり考えることが大切です。

大学生活、そのあとの社会人生活も負担なく過ごすために、自分の条件や希望に合った奨学金を見つけましょう。

奨学金の使い道

奨学金は、原則として学費に使いますが、使途に制約は設けられていません。

実際には、学費だけではなく、教材費や生活費、クラブやサークル活動費などに多く使われているようです。

教材費

教材費は必要なものなので、学費の範囲内と考えましょう。ただし、学科によっては高額になりますので、授業料の納付を優先して、足りない分はアルバイトなどで補いましょう。

生活費

1人暮らしをしている大学生は、家賃・光熱費・食費などの生活費としても使っています。これは、実家からの仕送りをもらっているが少ない、景気低迷によりアルバイトなどの収入が減少していることが関係しているようです。

クラブやサークル活動費

クラブやサークル活動費は、活動内容によって、道具の購入費や合宿費がかかることもあります。金銭的に負担のかかる場合は、控えるようにしましょう。

入学金

奨学金の使い道として、気をつけたいのは入学金です。

日本学生支援機構には、入学初年度にだけ借りられる「入学時特別増額貸与」という一時奨学金がありますが、支給が進学後のため入学金に充てることができません。

もし、入学金が用意できないときは、国の教育ローンや民間の教育ローンを利用しましょう。教育ローンの種類によっては、審査基準が変わってくるので注意が必要です。

奨学金制度のまとめ

進学するには、かなりのお金がかかります。しかし、進学を諦めるのではなく、学費をサポートしてくれる奨学金制度をうまく活用していきましょう。

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