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日本学生支援機構の奨学金、それぞれの特徴と対象者について解説
奨学生の約4割が利用している日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は、ほとんどの大学で申し込むことができます。
ここでは、3種類あるJASSOの奨学金の申し込み方法のなかでも、利用者全体の約7割が申し込んでいる予約採用について、特に詳しく解説します。
進学にあたり奨学金の申し込みを考えている人は、参考にしてみてください。
目次
JASSOの奨学金の申し込みから受給されるまでの流れ
JASSOの奨学金の申し込み方法には、「予約採用」「在学採用」「緊急・応急採用」の3つあります。
(くわしくは後述しています)
そのなかでも安心して進学できるように、進学前に奨学金を予約しておく予約採用をおすすめしています。
進学した大学や学部に採用枠が残っていない場合は、在学採用で申し込んでも不採用になる可能性があります。
確実に奨学金を利用したいなら、まず予約採用で申し込みましょう。
ここでは、予約採用における奨学金の申し込みから受給されるまでの流れを解説していきます。
あとになって「こうしておけばよかった・・・」ということがないように、スケジュールに合わせて計画的に進学費用を準備しましょう。
予約採用の基本スケジュールを確認する
JASSOの奨学金の予約採用は、高校3年生の春(5月~7月頃)から募集がはじまります。
第二種奨学金の予約採用は、秋(10月~11月頃)にも募集が行われるので、希望する場合は申し込みを忘れないようにしてください。
では、予約採用の基本的なスケジュールを確認していきます。
予約採用の基本的なスケジュール
申し込み期限は通っている学校によって異なりますので、きちんと確認するようにしてください。
JASSOの奨学金について
予約採用で申し込む前に、奨学金の申し込み方法にはどんなものがあるのか知っておきましょう。
JASSOの奨学金の申し込み方法には、高校3年生からあらかじめ申し込んでおく「予約採用」と、大学入学後に申し込む「在学採用」と、大学在学中に家計の急変で奨学金を緊急に必要とする場合に申し込む「緊急・応急採用」の3つあります。
「予約採用」での申込みが多数を占めます。
◆JASSOの奨学生新規採用者数 学校の所在地(単位:人)
スクロールできます
区分 | 採用者数 |
---|---|
第一種奨学金 | 188,915 |
第二種奨学金 | 210,584 |
合計 | 399,499 |
JASSOの奨学金の3種類、それぞれの特徴と申し込みの方法
では、JASSOの奨学金の「予約採用」「在学採用」「緊急・応急採用」それぞれの申し込み方法の特徴を解説していきます。
予約採用
予約採用は、進学先が決まっていなくても申し込み可能です。
予約採用
高校3年生の時点で進学後の奨学金を予約する方法
※高卒認定試験合格者は、直接日本学生支援機構に申し込む
- ◆申込み窓口
-
在学または卒業高校(高校卒業後2年以内まで申し込み可能)
- ◆募集時期
-
第1回:5月~6月頃
【第一種奨学金】【第二種奨学金】
【第一種奨学金・第二種奨学金併用】
【給付奨学金】第2回:10月~11月頃
【第二種奨学金】のみ - ◆採用候補者の決定
-
第1回:10月頃
第2回:2月頃
在学採用
在学採用は、大学2年生や3年生など在学の途中から申し込むことも可能です。
在学採用
進学後に申し込む方法
- ◆申し込み窓口
-
進学した大学など
- ◆募集時期
-
原則として毎年春と秋の年2回
【第一種奨学金】【第二種奨学金】
【第一種奨学金・第二種奨学金併用】
緊急・応急採用
緊急・応急採用は、家計急変の事由が生じた場合に年間を通じて随時申し込みが可能です。
在学している学校の奨学金窓口で状況を話し、手続きをするかどうかを決めましょう。
家計急変の事由が進学前に発生している場合も申込対象となりますが、申込期限がありますのでご注意ください。
緊急採用は第一種奨学金(無利子)、応急採用は第二種奨学金(有利子)の申込みとなります。
緊急・応急採用
生計維持者が死亡、失職・病気などで就労が困難な場合など、家計が急変した場合に申し込む方法
- ◆申し込み窓口
-
進学した大学など
- ◆募集時期
-
いつでも申し込み可能
(家計が急変してから12か月以内に限る)
【第一種奨学金】【第二種奨学金】
申し込み方法は予約採用がおすすめ
JASSOの奨学金の利用を考えているなら、予約採用で申し込むほうが断然おすすめです!
在学採用に比べて、予約採用はメリットが多いのです。
- メリット1:予約採用は採用枠が広い
-
予約採用は、全国基準で採用枠が決まるので、平等な条件で選考が行われます。
在学採用は、大学ごとの採用枠に差があるので、申し込み基準を満たしていても不採用になる可能性があります。 - メリット2:不採用でも在学採用で再チャレンジできる
-
予約採用に落ちてしまった場合でも、在学採用で再チャレンジできます。
予約採用で第一種奨学金が不採用になり、第二種奨学金に採用されたとしても、第一種奨学金を在学採用で再チェレンジすることもできます。 - メリット3:予約採用は進学届で項目を変更できる
-
予約採用が決定しても、入学後の最終手続きである進学届でほとんどの項目が変更できます。
つまり、奨学金の月額や利率の算定方式などが変更できたり、奨学金を利用しなくてもよくなった場合は辞退することができるのです。
進学届で変更できる主な項目
- 奨学金の月額
- 入学時特別増額貸与奨学金の金額
- 保証制度(人的保証/機関保証)
- 返済利率の算定方式(固定/見直し)
- 奨学金の振込口座
- 奨学金の辞退
- 入学時特別増額貸与奨学金だけの辞退 など
入学時特別増額貸与奨学金も併せて申し込もう!
入学初年度は、入学金や生活の準備費用などが必要なため、けっこうお金がかかります。
そこで、利用したいのが日本学生支援機構の「入学時特別増額貸与奨学金」です。
国の教育ローンを申し込んだけれど借りられなかった人が対象となります。
これも入学後の最終手続きである進学届で、「入学時特別増額貸与奨学金」だけを辞退することができるので、予約採用と一緒に申し込んでおくことをおすすめします。
JASSOの奨学金の申し込み手続き
JASSOの奨学金の申し込み手続きは、予約採用の場合は高校、在学採用の場合は進学先の大学を通して行ないます。
申し込みには、さまざまな申し込みパターンがあります。
どのパターンを希望しても、選考で有利・不利になることはありません。
どれを選択するのがベストなのか、あらかじめ決めたうえで予約採用の手続きに進んでくださいね。
どれに申し込む?予約採用の申し込みには7パターンある!
予約採用の申し込みには、【第一種奨学金】【第二種奨学金】【第一種奨学金・第二種奨学金併用】【給付奨学金】の組み合わせによって、申し込みパターンが7つあります。
まずは、7つある申し込みパターンから希望のコースを選択していきます。
(【給付金奨学金】もすべて併用できますが、ここでは省略しています)
- 【第一種奨学金】のみ希望
- 【第一種奨学金】が不採用の場合は【第二種奨学金】を希望
- 【第二種奨学金】のみ希望
- 【第一種奨学金・第二種奨学金併用】のみ希望
- 【第一種奨学金・第二種奨学金併用】が不採用の場合は【第一種奨学金】のみ希望
- 【第一種奨学金・第二種奨学金併用】が不採用の場合は【第二種奨学金】のみ希望
- 【第一種奨学金・第二種奨学金併用】および【第一種奨学金】が不採用の場合は【第二種奨学金】を希望
⑥と⑦は違いがわかりづらいですね。
⑦は併用が不採用になっても、【第一種奨学金】と【第二種奨学金】のどちらかで採用される可能性があるので、⑦を選択するほうが安心です。
申し込みコース選択のポイントとしては、【第二種奨学金】を押さえておくことです。
利息がつかない【第一種奨学金】にこだわり過ぎずに、利息がつく【第二種奨学金】も視野に入れて申し込むことが得策です。
予約採用の申し込み手続きってどうするの?
予約採用で申し込むコースを決めたら、以下の手順で申し込み手続きを進めていきます。
- 高校へ必要書類を提出
在学中の高校に「提出書類一式」と「スカラネット入力下書き用紙」を提出します。
※もし記入を間違えてしまっても、日本学生支援機構からダウンロードできるので安心してください。 - スカラネット入力
学校が提出書類などを確認したら、「スカラネット入力下書き用紙」が返却されます。同時にスカラネットにアクセスするためのIDとパスワードがもらえます。
「奨学金申込専用ホームページ」にアクセスし、スカラネット入力下書き用紙にしたがって申し込み内容を入力していきます。
※自宅にパソコンがない場合は、学校のパソコンが利用できないか相談してみましょう。 - スカラネット申し込み番号を高校に再提出
スカラネット入力が完了すると、最後に受付番号が表示されます。その番号を「スカラネット入力下書き用紙」に記入して、再度高校に提出します。 - マイナンバーの提出
スカラネット入力後1週間以内に、マイナンバー提出書と一緒に簡易書留で送付します。 - 予約採用の申し込み手続き完了!
スカラネットでの奨学金の申し込み手順(図解入り)
JASSOの奨学金における日本学生支援機構独自のネットシステム「スカラネット」では、奨学金申し込みの手続きが行なえます。
以下、スカラネットでの奨学金の申し込み手順と使い方になります。
手順:スカラネットにアクセスしてみよう!
- 1.スカラネットにアクセス
- 2.重要事項確認の「はい」か「いいえ」にチェック
-
正しく理解している必要があり、すべて「はい」にチェックがないと次に進めません。
- 【a.奨学金の申し込みの場合】
3.◆奨学金の新規申込の「送信」ボタンをクリック - 4.識別番号(ユーザID・パスワード)を入力し、「送信」ボタンをクリック
-
在学中の学校から配布されたユーザID・パスワードを入力します。
- 【b.進学届の提出の場合】
3.◆進学届の提出の「送信」ボタンをクリック - 4.進学した学校を選択してクリック
-
そのあとに表示される認識番号(ユーザID・パスワード)には、進学先に「奨学金貸与決定通知書」を提出してから配布されたものを入力します。
使い方:スカラネットまとめ一覧
スカラネット
(奨学金申込専用ホームページ)
サイトURL | https://www.sas.jasso.go.jp/scholarnet/ |
機能 | JASSOの奨学金の申し込みに使用するサイト |
用途 | ・奨学金の新規申込 ・進学届の提出 |
パスワード | 利用するユーザID【奨学金の申し込みの場合】 在学中の学校から配布された識別番号 (ユーザID・パスワード)【進学届の提出の場合】 進学先の学校から配布された識別番号(ユーザID・パスワード)と、採用候補者決定通知【本人保管用】に記載されている進学届提出用パスワード |
手続きの受付時間 | 午前8時 ~ 午前1時 ※午前0時~1時の受付は、翌日分として処理される |
送信した申し込み内容は
訂正できない
訂正できない
スカラネットで申し込み内容を送信した後は、入力ミスをしてしまっても自分で訂正できないので気をつけてください!
ただし、入学後の進学届でほとんどの項目は変更可能なので、慌てなくても大丈夫です。
JASSOの奨学金申し込みの際に注意すべきポイント
予約採用の申し込み手続きをスムーズに進められるように、申し込みの際に注意すべきポイントをいくつかまとめてみました。
基本!必要な提出書類をチェックする
奨学金の申し込みの際に必要な提出書類をチェックしましょう。
全員が提出するもの
- 提出書類一覧表
- 給付奨学金確認書または貸与奨学金確認書
- マイナンバー提出書
- 家計状況申告書
- 収入証明書類
- スカラネット入力下書き用紙
必要な人だけ提出するもの
- 給付奨学金申込資格に関する証明書類
- 特別控除に関する証明書類
以下、特別控除に該当する項目
○母子・父子世帯
○単身赴任
○障がい者
○長期療養者
○被災・盗難被害
書類不備があって慌ててしまうことがないように、提出書類はしっかり準備しましょう。
保証制度は人的保証、機関保証のどちらを選択する?
JASSOの奨学金を利用するには、連帯保証人と保証人が必要となります。
連帯保証人は、学生本人の父母、保証人は父母以外の親族などに依頼することになり、保証人の収入証明書の提出も求められます。
このような人的保証が難しい場合は、機関保証を利用します。機関保証は、連帯保証人と保証人は不要です。ただし、奨学金の月額から一定の保証料が差し引かれます。
申し込み時点で、保証制度を人的保証にするか、機関保証にするか、どちらかを選択します。
保証制度は、入学後の最終手続きである進学届で変更が可能です。
保証制度については、こちらでくわしく紹介しています。
貸与利率は固定にする?変動にする?
JASSOの奨学金は、在学中は無利息です。
利息がつく第二種奨学金を申し込む場合は、貸与が終了した時点での利率が適用され、利息がかかるようになります。
返済利率の算定方式には
- 利率固定方式(いわゆる固定金利)
- 利率見直し方式(いわゆる変動金利)
の2つがあり、どちらかを選択します。
返済利率の算定方式は、入学後の最終手続きである進学届で変更可能です。
ちなみに、利息がつかない第一種奨学金を申し込む場合は、返済方法を「定額返還方式」か「所得連動返還方式」を選択します。
貸与中は「所得連動返還方式」、「定額返還方式」いずれの変更も可能です。
申請理由の書き方のポイントと注意点は?
JASSOの奨学金の申し込みにおいて、学生たちが戸惑うのが申請理由の書き方です。
スカラネット入力下書き用紙に書き込んでいくなかで、多くの人の手が止まるのが「家庭事情情報」欄です。奨学金を申請した理由を200文字以内で書かなくてはなりません。
そこで、申請理由を書く際のポイントと注意点を押さえておきましょう。
申請理由を書く際のポイント
奨学金を申し込む理由は、ずばり「お金が足りない」です。
なぜお金が足りないのか、自分から見た家計の状況を分かりやすく書くことが大切です。
- お金が足りない事情がある
- だから進学するにあたり十分なお金が用意できない
- したがって奨学金を借りて大学で学びたい
このような展開で、200文字のなかで簡潔にまとめれば大丈夫です。
申請理由を書く際の注意点
作り話を書かないこと=つまり嘘は書かないことです。
家庭収入の具体的な数字を入力する項目があるので、申請理由も誠実に書くようにしてください。
あたり前のことですが、誤字脱字がないかチェックしてくださいね。スカラネット入力下書き用紙は学校が確認するためのものですが、スカラネット入力は慎重に行ないましょう。
奨学金の支給開始日に注意する!
奨学金の支給開始日には注意が必要です。
予約採用で申し込んで採用決定しても、奨学金の支給が始まるのは進学後の5月以降となっています。
つまり、奨学金を入学金・前期分授業料などの入学前にかかる費用に充てることはできません。
多くの大学では、入学手続き費用の納付期限を合格発表後の1~2週間以内としているので、奨学金の支給開始日よりも前にお金が必要となります。
前述の「入学時特別増額貸与奨学金」も進学後の支給となります。
もし、入学手続き費用が準備できないときは、「入学時特別増額貸与奨学金」とろうきんの「入学時必要資金融資制度」を併せて利用すると、前もってお金が借りられます。
まとめ
JASSOの奨学金を利用するなら、安心して進学できるように、進学前に奨学金を予約しておく予約採用で申し込みしておきましょう。
予約採用は、高校3年生の春(5月~7月頃)から募集がはじまります。
あとになって「こうしておけばよかった・・・」ということがないように、スケジュールに合わせて計画的に進学費用を準備しましょう。
また、予約採用の申し込みには組み合わせによって、さまざまな申し込みパターンがあります。
申し込み手続きを進める前に、どのコースを選択するのか決めておきましょう。
最後に、よくある質問についてQ&A形式で簡単にまとめてみました。ぜひ参考にしてください。
奨学金Q&A
継続手続きは毎年必要!
JASSOの奨学金を毎年継続して利用するには、年度末に「奨学金継続願」をスカラネット・パーソナルから提出します。給付奨学金の人も提出が必要です。
継続手続きは毎年必要なので、忘れないようにしましょう。
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